面白くはない
初心者にも推せない
『ベスト・オブ・デッドプール』 ©MARVEL ©Shogakukan-Shueisha Productions
こんちは!
サンドです。
今回は、デッドプールの傑作選『ベスト・オブ・デッドプール』のレビュー記事です。
「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」
などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!
僕のプロフィールはこちらの記事で
皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。
なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
収録タイトルやクリエイター
出版社 | 小学館集英社プロダクション |
ライター |
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アーティスト |
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収録タイトル |
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あらすじ
内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。
どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式からの引用なので、結末に関するネタバレはありません。
1991年、空前の『X-MEN』関連タイトル人気のなかで、口の減らない一人の悪党が産声を上げた。
引用元:小プロ作品ページ
彼はいつしか唯一無二の個性を発揮し、マーベルの表舞台へと躍り出ることとなる。
初登場エピソード『ニューミュータンツ』に加え、独自のカラーを打ち出し始めた分岐点『Xフォース』、初のオンゴーイング・シリーズ『デッドプール』、先輩ギャグヒーローとの競演『デッドプール/GLI – サマー・ファン・スペクタキュラー』など、バラエティ豊かな4作品を収録!
全アメコミファン必携!
どんな作品なのか
本作『ベスト・オブ・デッドプール』は、デッドプールの初登場回を含む4話で構成された傑作選です。
正直、初心者向けではないですね…。
これまでのベスト・オブ~シリーズは、基本的に主人公の初登場回=1話目でした。
しかし、デッドプールの初登場回は、シリーズの途中からです。
一応、各話の開始前にはあらすじのページが設けられていますし、16ページに及ぶ解説書で丁寧に補足はされています。
ただ、やはり字面だけでは把握が難しいのも事実です。
デッドプールのオリジンが語られるような作品もなかったです。
各話の内容
『New Mutants』の98話は、記念すべきデッドプールの初登場回です。
映画『デッドプール2』(2018年)のケーブルも登場し、ドミノも今回が初登場です。
そもそもデッドプールは主人公ではなく、ケーブルの暗殺を命じられたヴィランとして登場します。
主人公サイドはケーブルに加えて、『ニュー・ミュータント』(2020年)に登場したキャノンボールやサンスポットたち。
アーティストはロブ・ライフェルドで、ストーリーはロブ・ライフェルドとファビアン・ニシーザの共同執筆です。
『New Mutants』#98 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
『X-Force』の15話は、『New Mutants』98話からストーリーが続いています。
とはいえ15話以上の空白があるのですが…。
嫌われ者のシャッタースターが登場します笑。
ライターはファビアン・ニシーザで、アーティストはグレッグ・カプロ。
『Deadpool』Vol.3 は、3度目の単独誌にして初のオンゴーイングシリーズです。
こちらは新シリーズの1話なので、事前知識なしで楽しめます。
傭兵としての仕事をこなしているウェイドは、カナダの研究所を破壊する任務を受けますが…。
この頃にはデッドプールのキャラクターが確立されていて、デッドプールらしさを楽しめる作品になっています。
ライターはジョー・ケリー、アーティストは後に『ハルク:レッドハルク』、『AVX:アベンジャーズ VS X-MEN アルファ&オメガ』を手掛けるエド・マクギネス。
『Deadpool GLI – Summer Fun Spectacular』は、時系列的に『シビル・ウォー』後のストーリーです(この話に特に影響はないですが)。
ギャグ回とも言える作品で、前後の繋がりを気にせずに頭を空っぽにして楽しめる内容です笑。
『シー・ハルク ザ・アトーニー』(2022年)に登場したミスター・イモータルも出ますが、扱いが…。
ライターはファビアン・ニシーザと、後にスーペリア・スパイダーマンを手掛けるダン・スロットで、メインのアーティストはマーク・ネルソン。
本作前に読むべき邦訳アメコミ
本作は傑作選なので、特に予習は不要です。
『Deadpool GLI – Summer Fun Spectacular』にてファンタスティックフォーのメンバーが変わっている理由は、『ファンタスティック・フォー:シビル・ウォー』に詳しいです。
このためだけに読む必要はないですが。
作品の評価・感想
面白くはない。
傑作選である以上、各話が単体でも面白いのが理想だと思います。
初登場回はまだしも、2話目も中途半端でストーリーに乗り切れずでした。
3話目は新シリーズの初回でしたが、中盤まで物語上の目的がなく、イマイチな脚本でした。
各話の選定の基準が、デッドプールというキャラクターの方向性を示したものになっているので、面白さ基準ではないのかもしれません…。
唯一楽しめたのは4話目の『Deadpool GLI – Summer Fun Spectacular』。
物語の一貫性がありながらも、デッドプールらしい破天荒な作品になっています笑。
マーク・ネルソンのアートも丁寧に描き込まれています。
太目の輪郭線が特徴的ですね。
『Deadpool GLI – Summer Fun Spectacular』 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
他にも様々なアーティストが参加しているのは嬉しいところですね。
90年代初めから、2000年代に至るまでのアートのトレンドの変化も楽しめます。
本作後に読むべき邦訳アメコミ
傑作選なので、特に続く邦訳本はなしです。
まとめ:『ベスト・オブ・デッドプール』の総評
GOOD
・様々な年代のアートが楽しめる
BAD
・中途半端なストーリー
・微妙な脚本
RECOMMEND
・デッドプールのキャラ確立までを知りたい人
デッドプールの入門書としての役割を期待していましたが、ちょっと残念でした。
他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。
それでは、今回はこのあたりで。
ありがとうございました!
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