主人公の人間性を深堀りした秀作
独特な世界観が特徴
『ウォーロック Part1』 ©MARVEL ©Hachette Collections Japan
こんちは!
サンドです。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』(2023年)にて登場したアダム・ウォーロック。
今回は、そんなウォーロックが主人公の作品『ウォーロック Part1』のレビュー記事です。
「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」
などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!

僕のプロフィールはこちらの記事で
皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。
なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
収録タイトルやクリエイター
| 出版社 | アシェット |
| ライター | ジム・スターリン |
| アーティスト | ジム・スターリン |
| 収録タイトル |
|
あらすじ
内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。
どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式からの引用なので、結末に関するネタバレはありません。
銀河系中で彼の名は伝説となっている……。
引用元:本作裏表紙
アダム・ウォーロック。
神秘的なソウル・ジェムの使い手で、カウンターアースの救世主。
今、全能ともいわれるそのヒーローは、惑星から惑星へと聖戦を繰り広げ、すべての物に服従か滅亡かを迫ってくるユニバーサル・チャーチ・オブ・トゥルースを止める方法を見つけなければならない。
ウォーロックはこの星間過激派に立ち向かう。
そして、彼らのリーダーである巨大魔術師メイガスの衝撃的な真実を知る!
どんな作品なのか
本作『ウォーロック Part1』は、『Strange Tales』#178~181話と『Warlock』#9~11話(どちらもオンゴーイングシリーズ)を収録したものです。
「全部が中途半端すぎんか?」
と思われた方もいるかもしれませんが、『Strange Tales』は回によって主人公が異なる、文字通り“変わった”作品です。
ヒューマン・トーチやドクター・ストレンジ、ニック・フューリーが主人公の回などがあり、ウォーロックが主人公の回は本作の178話からとなっています。
また、『Strange Tales』181話と『Warlock』9話は作品を跨ぎつつもストーリーは繋がっています(アメコミあるある)。
読むためのハードルが高いわけではないのですが、ザ・アメコミという感じではないので、初心者の方が1冊目に買う作品ではないかなと思います(感想の箇所も参考に)。
ウォーロックのオリジンは作品や期間を跨いで複雑になっていますが、冒頭の5ページでこれまでの彼の経歴を振り返ってくれています。
そしてウォーロックが、ある者たちに追われている女性に遭遇するところから物語は始まります。
『Strange Tales』#178 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
『ライフ&デス・オブ・キャプテン・マーベル』のジム・スターリンが、ライターとアーティスト両方を務めています!
また、本作はアシェットの『マーベル グラフィックノベル・コレクション』70号に当たります。
シリーズの詳細はこちらの記事で。
本作前に読むべき邦訳アメコミ
必読ではないですが、『ライフ&デス・オブ・キャプテン・マーベル』Part1、Part2の2冊を読んでおくと、より本作を楽しむことができます。
この作品の主人公はキャロル・ダンヴァースではなく、マー=ベルのキャプテン・マーベルで、本作同様宇宙規模のストーリーが展開されます。
本作の中盤で、この2冊のネタバレをされてしまうので、少しでも気になったら先に読んでおくことをオススメします笑。
ライターとアーティストは、本作のジム・スターリンが務めています。
詳しい内容や感想はこちらの記事で。
作品の評価・感想
かなり面白かった!!
ヒーローVSヴィランという典型的なアメコミでは全くないです。
ウォーロックが自身の善悪性や人生の苦しさを、自問自答しながら葛藤している姿が印象的でした。
自身の知見から、他者を支配しない考えを持っているのも、キャラが立っていてよかったです。
宗教を交えつつ、狂気や生と死、善と悪といった概念をテーマに描き、独特な世界観を作り出しています。
「カッコいいヒーローとヴィランとのアクション満載の作品を見たい」という方には響きませんが、「キャラの内面を掘り下げる作品が見たい」という方には激推しです!
テンポもよく、1話目で早々にイベントが発生し、物語の方向性を決定づけています。
目的が終始一貫しているので話がブレないのですが、先の展開が全く読めないです。
ジム・スターリンが描いた前シリーズの『ライフ&デス・オブ・キャプテン・マーベル』は、他のライターとの共作でした。
それによる制限がいくつかあったのかはわかりませんが、本作ではより自由に描いているように思え、スターリンの真骨頂が発揮されています。
これが70年代に描かれているというのが、驚きを隠せないです…。
Part 1とありますが、話が区切りのいいとこで終わっているのも嬉しいポイント。
スターリンのアートも素晴らしく、前シリーズより明らかに画力が向上しています!
キャラクターの筋肉や影、背景やメカの描き込みが見事です。
コマ割りや演出も奇抜なものが多々あり、独特な世界観の構築に一役買っています。
『Strange Tales』#181 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
本作後に読むべき邦訳アメコミ
前述のとおり物語は一区切りついているのですが、『ウォーロック Part2』に続きます。
また読んだら感想を更新したいと思います。
まとめ:『ウォーロック Part1』の総評
GOOD
・主人公の葛藤を描いたストーリー
・独特な世界観
BAD
・ヒロイックではない(BADに感じるかは人それぞれ)
RECOMMEND
・変わったアメコミを読みたい人
・キャラを掘り下げる作風が好きな人
他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。
あと、先日(2025年12月)開催された東京コミコンで、本作の作者ジム・スターリンにサインもらえたので、自慢させてください笑。

それでは、今回はこのあたりで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!









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