余波の大きい事件を描く
しかし描写が不足
『ニューX-MEN:E・イズ・フォー・エクスティンクション』 ©MARVEL ©Hachette Collections Japan
こんちは!
サンドです。
今回は、後のX-MENシリーズにも影響を与える『ニューX-MEN:E・イズ・フォー・エクスティンクション』のレビュー記事です。
「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」
などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!
僕のプロフィールはこちらの記事で
皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。
なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
収録タイトルやクリエイター
出版社 | アシェット |
ライター | グラント・モリソン |
アーティスト |
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収録タイトル |
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あらすじ
内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。
どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式からの引用なので、結末に関するネタバレはありません。
ミュータントと人間の関係は壊れつつある。
引用元:本作裏表紙
日々、多くのミュータントが生まれ、その一人一人の超越した才能に責任をもち、感情に流されずに超能力を使う方法を教える教師が必要な今、チャールズ・エグゼビアの学校もまた、いまだかつてないほど必要とされている。
しかし、エグゼヒア教授とX-MENたちは、エグゼビアノ夢を悪夢に変えるかもしれない、長いあいだ忘れていた敵の再登場によってその存在を試されることになる……。
どんな作品なのか
本作『ニューX-MEN:E・イズ・フォー・エクスティンクション』は、オンゴーイングシリーズ『New X-Men』の114~117話をまとめたものです。
4話しか収録されておらず、「ハードカバーなのに薄っ!」というのが手に取った感想。
直前まで『X-MEN』Vol.2が113話まで展開されていましたが、タイトルが変更されて114話から始まったのが全3話のE・イズ・フォー・エクスティンクション編です。
ライターのグラント・モリソンは本作からの参加で、新章の突入となるため初心者の方でも読みやすいかと。
物語は、プロフェッサーXが新型のセレブロを使うところから始まります。
『New X-Men』#114 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
この時期のX-MENのメンバーは、サイクロップス、ジーン、ビースト、ウルヴァリン、そしてエマも合流します。
ニューアベンジャーズ期のX-MENの邦訳本をいくつか読んできた方は、ジェノーシャという島国を聞いたことがあるかもしれません。
何やら悲惨な事件があったと解説書でも度々記載がありましたが、ヴィレッジブックスはその作品を邦訳してはくれませんでした…。
しかし、アシェットの『マーベル グラフィックノベル・コレクション』17号にてまさかの邦訳化!
そう、本作はジェノーシャでの悲劇を描いた作品なのです!!
後の作品でも絶えず語られるほど爪痕は深く、X-MEN史において重要な作品といえます。
タイトルと表紙だけでは全く分からず、僕も気づいたのは発売して1年たった後でした笑。
アーティストは、114~116話がフランク・クワイトリー、117話がイーサン・ヴァン・シヴァーです。
本作前に読むべき邦訳アメコミ
新章の開幕となるので、特に事前に読むべきものはないです。
作品の評価・感想
微妙…。
ジェノーシャでの悲劇が、どれほどのドラマで描かれるのかと思っていたら、けっこうあっさりしてて肩透かしでした。
ドナルドが、なぜあのような行動に出たのか全く説明がないです。
カサンドラの動機も、よくわからず終いです。
未知の生物種と言われても。
キャラクターの言動の違和感もありました。
サイクロップスとプロフェッサーXって、そんなことするキャラか?
サイクロップスとウルヴァリンも余裕ぶっこいてあの結果です。
「ただの判断ミスじゃん」とツッコまざるを得ないですね。
フランク・クワイトリーのアートはクセがありますが、雑ということはなくて丁寧に描き込まれています。
『New X-Men』#115 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
メカの描写が特に細かいですね。
1話のみの参加ですが、イーサン・ヴァン・シヴァーは更に描き込みが凄く、1コマの情報量が多いです。
本作後に読むべき邦訳アメコミ
本作は凄く中途半端なところで終わりますが、続きは『マーベル グラフィックノベル・コレクション』の75号『ニューX-MEN:インペリアル』(2024年11月27日発売)で読めます。
収録話は118~126話となっています。
ライターは引き続きグラント・モリソンで、アーティストもフランク・クワイトリーと イーサン・ヴァン・シヴァーは続投です。
シリーズの詳細はこちらの記事で。
まとめ:『ニューX-MEN:E・イズ・フォー・エクスティンクションの総評
GOOD
・シンプルで初心者の方でも読みやすい
・丁寧に描き込まれたアート
BAD
・あっさりした悲劇
・キャラの言動の違和感
RECOMEND
・X-MENを追いかけている人
・ジェノーシャの事件を詳しく知りたい人
本作を読んでおくことで、後のX-MENシリーズの理解が深まるのは確かです。
他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。
それでは、今回はこのあたりで。
ありがとうございました!
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