まとめ
ストーリー、アート共に質が高い
前作は必読
『スパイダーマン:クローン・サーガ・オリジナル』 ©MARVEL ©Shogakukan-Shueisha Productions
こんちは!
サンドです。
今回は、スパイダーマン史においても重要な作品『スパイダーマン:クローン・サーガ・オリジナル』のレビュー記事です。
「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」
などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!
僕のプロフィールはこちらの記事で
皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。
なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
収録タイトルやクリエイター
出版社 | 小学館集英社プロダクション |
ライター | ジェリー・コンウェイ アーチー・ゴードウィン(1話のみ) |
アーティスト | ロス・アンドルー ギル・ケイン(1話のみ) |
収録タイトル |
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あらすじ
内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。
どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式サイトからの引用なので、結末に関するネタバレはありません。
※今回のあらすじは、わりと作品全体の内容をまとめてしまっています。
ピーター・パーカーが愛した女性、グウェン・ステイシー。
悲劇的な死を遂げたはずの彼女が、突然生き返った姿でピーターの前に現れた!
信じがたい出来事に動揺するピーターだったが、その正体は邪悪な科学者ジャッカルが生み出したクローンだった。
グウェンへの歪んだ愛情から彼女のクローンを作り出したジャッカルは、スパイダーマンをさらに追い詰める秘策……スパイダーマン自身のクローンを送り出す!
はたしてスパイダーマンは自分と同じ感情、同じ記憶を抱いた、もう一人のスパイダーマンと戦い、勝利することができるのか?90年代「クローン・サーガ」の原点にして、その後のスパイダーマン史でも重要な役割を果たす70年代のオリジナル版が日本オリジナル編集で登場!
どんな作品なのか
本作『スパイダーマン:クローン・サーガ・オリジナル』は、オンゴーイングシリーズ『The Amazing Spider-Man』の139~151話をまとめたものです。
『スパイダーマン:ステイシーの悲劇』が必読となるので、本作からは読み始めないようにご注意ください!
過去の重要作品を、解説ではなく自分の目で読んでおきたい方にオススメです!
本作は、スパイダーマン60周年を記念して小プロがツイッターで行った、スパイダーマン作品の邦訳希望アンケートによって発売が決定されました。
ファンの間でも、待ち望んだ邦訳だったわけです!
グウェンの死で今も悩んでいるピーターは、訪れたデイリー・ビューグルで事件に巻き込まれるところから物語は展開します。
『The Amazing Spider-Man』#139 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
メリー・ジェーンやリズ・アラン、ネッド・リーズなど映画でお馴染みの面々が登場します。
1点注意ですが、本作の解説書前文”作品解説”には、メインヴィランのジャッカルの正体が書かれています。
前情報なしで読みたい方は、用語解説のみ参照することをお勧めします。
ライターは、『スパイダーマン:ステイシーの悲劇』から続投のジェリー・コンウェイ。
メインのアートはロス・アンドルーが務めますが、『スパイダーマン:ステイシーの悲劇』でジェリー・コンウェイとタッグを組んでいたギル・ケインも150話のみ参加しています。
なお、本作の紙版は小プロのオンラインストアでの販売がメインで、普通の書店では買えません。
電子版であれば、Amazonにて購入可能です。
本作前に読むべき邦訳アメコミ
先ほども述べましたが、『スパイダーマン:ステイシーの悲劇』は必読です。
本作では、ガッツリこの作品の内容が関わってきます。
本作時点のピーターへの感情移入の度合いも違ってくると思います。
収録話は、『The Amazing Spider-Man』の88~92話と121話、122話となっています。
本作までにやや間は空いていますが、その間の出来事は本作の解説書でフォローされているので全く問題なしです。
個人的には、本作以上にスパイダーマンの歴史において超重要な作品と感じます。
ストーリー的にも面白いので、この際にぜひ読んでみてください!
ライターはスタン・リーと、本作を手掛けたジェリー・コンウェイです。
作品の評価・感想
面白かった!
序盤から事件が起きて、物語が展開していきます。
アクションパートだけでなく、ドラマパートもバランスよく盛り込まれています。
やはり、ピーターとしての実生活で苦労しながらヒーロー活動しているのがスパイダーマンというキャラで、そこがしっかりと描かれています。
また、ピーターのモノローグが多く、心情が細かく描写されていました。
本作のピーターはかなり複雑な状況に置かれるので、細かい心理描写によって、より感情移入できましたね。
何よりも、丁寧に練られた脚本が見事だと感じました!
細かいツッコミどころはあるものの、作品全体に一貫性があります。
本作にはジャッカルの他にも様々なヴィランがスパイダーマンに襲い掛かります。
全てがジャッカルに関係するわけでもないのですが、物語の裏側でも本筋が進んでいくので、一貫性を持たせることに成功しています。
各話の最後には、クリフハンガーも設けてあります。
後半にはどんでん返しもあり、読了後は十分なカタルシスを味わえます。
ジェイムソンがパリへ行った理由と、ジャッカルがいつスパイダーマンの正体を知ったのかだけ不明でした。
ロス・アンドルーのアートは、力強い輪郭線ですが、線の強弱がしっかりとついていました。
アクションシーンはダイナミックなコマ割りで、迫力がありました!
『The Amazing Spider-Man』#139 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
背景も描き込んであり、ウェブスイングのシーンは見応えありましたね。
50年近く前の作品が、今でも邦訳として出版されて読めるのは、感慨深いしありがたいことですよね。
本作後に読むべき邦訳アメコミ
本作の151話は3ページしか収録されていませんが、この3ページが90年代の『スパイダーマン:クローン・サーガ』へと続いていきます。
こちらは私もまだ読めていないので詳細はわかりませんが、賛否両論の問題作らしいです笑。
また読了後に記事をアップすると思います。
まとめ:『スパイダーマン:クローン・サーガ・オリジナル』の総括
GOOD
・丁寧に練られた脚本
・クラシックだが、見応えあるアート
BAD
・一部説明不足な箇所あり
ストーリーもアートもクオリティが高く、スパイダーマンファンには自信を持って薦められる1冊でした。
他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。
それでは、今回はこのあたりで。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
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