方向性に疑問があるストーリー
アートは質が高い
『アベンジャーズ/ファンタスティック・フォー:エンパイヤ』 ©MARVEL ©Shogakukan-Shueisha Productions
こんちは!
サンドです。
今回は、クロスオーバー作品『アベンジャーズ/ファンタスティック・フォー:エンパイヤ』のレビュー記事です。
「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」
などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!
僕のプロフィールはこちらの記事で
皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。
なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
収録タイトルやクリエイター
出版社 | 小学館集英社プロダクション |
ライター |
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アーティスト |
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収録タイトル |
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あらすじ
内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。
どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式からの引用なので、結末に関するネタバレはありません。
銀河列強種族たるクリーとスクラル、100万年に及んだ両者の星間戦争についに終止符が打たれる時が来た。
両種族の血を引くハルクリングを新皇帝に戴き、クリーとスクラルが固き同盟を結んだのだ。
だが大戦の終結は、次なる騒乱の幕開けでしかなかった。
新たなる帝国《エンパイヤ》の誕生が意味するものとは何か……
アベンジャーズ、そしてファンタスティック・フォーはこの危機をいかに乗り越えるのか?マーベルを代表する二大チームが挑む驚異のスペースアドベンチャー開幕!
引用元:小プロ作品ページ
どんな作品なのか
本作『アベンジャーズ/ファンタスティック・フォー:エンパイヤ』は、リミテッドシリーズ『Empyre』の1~6話と関連作品をまとめたものです。
タイトルの通り、アベンジャーズとファンタスティック・フォーのクロスーバー作品となっています。
Fresh Start/フレッシュ・スタート期に入り、『インフィニティ・ウォーズ』、『ウォー・オブ・ザ・レルムス』に続くクロスオーバー作品ですが、ストーリーの繋がりは薄いです。
過去の設定や出来事がよく引き合いに出されますが、16ページに及ぶ解説書でしっかり説明があります。
逆に言うと、都度解説書を確認する必要があるため、初心者の方の1冊目にはお勧めしません。
アメコミの読み方に慣れた2、3冊目であれば問題ないかと。
アベンジャーズサイドは月の青の園から救難信号を受け取り、ファンタスティック・フォーサイドは宇宙船の故障という場面から始まります。
『Empyre #0 Avengers』 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
宇宙を舞台にクリーやスクラルが登場し、両種族の血を引くハルクリングが重要なキャラクターとなります。
ライターは『ロキ:エージェント・オブ・アスガルド』のアル・ユーイングと、スーペリア・スパイダーマンシリーズのダン・スロットで、共同執筆です。
本編のアーティストはヴァレリオ・スキーティ。
冒頭の2話では、『ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・X』のペペ・ララスとR.B.シルバが参加しています。
各話のカバーアートは『ニュー・アベンジャーズ:イルミナティ』のジム・チャンが手掛けています。
本作前に読むべき邦訳アメコミ
必読な作品は特にないです。
本作時点でのアベンジャーズがどのように結成されたのかは、『マーベル:レガシー』で読むことができます。
『Avengers』Vol.8の1話から収録されているので、初心者の方でも問題なく楽しむことができます。
絶版で手に入れにくくなっているので、無理して読む必要もないです。
詳しい解説や感想はこちらの記事で。
ヤング・アベンジャーズシリーズを読んでおくと、理解度が深まる気もしますが、僕も読んでいないので、なんとも言えないです笑。
また読んだら更新するかもしれません。
また、エピローグには『オリジナル・シン』の要素が絡んできますが、本編には影響ないので問題なしです。
この辺は解説書で補足があるので、ご安心を。
作品の評価・感想
普通。
前半はよかったです。
「お?これどうなっちゃうんだ?」とワクワクしながら読めました。
敵の動機や、これまでの計画もしっかりと説明されていました。
中盤は中だるみしてましたね。
敵の復讐対象はクリーやスクラルのはずなのに、動物全般というのは飛躍しすぎだなと。
敵がスクラルやクリーの星に向かおうともしないので、なんか物語的に乗り切れなかったですね。
終盤はご都合主義のえいやーで雑な展開。
タイインで扱ったとはいえ、それまで本編で触れもしなかった装置で状況が好転するし、敵の一部がコロッと改心するし、なんだかなー。
ブラックパンサーは計画があると言っていたが、それっぽいことせずに終了しました。
『マーベル:レガシー』でもそうでしたが、ソーは神秘のパワーに頼りすぎ笑。
ダン・スロットのスーペリア・スパイダーマンがマジで傑作シリーズだったので期待していたんですけどね…。
今後の展開への橋渡しもありますが、エピローグを丁寧に描いていたのはよかったかなと。
ヴァレリオ・スキーティのアートは画力高めでよかったです!
パキっとした輪郭線で、強弱がつけられています。
表情も豊かで、アクションシーンでなくともキャラに動きがありました。
『Empyre』#1 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
近年のアーティストは、キャラをリアル路線よりもややデフォルメし、目の表現が多彩になった気がします。
日本のマンガの影響を感じずにはいられませんね。
つまらない作品ではないですし、僕の感想が全てではないです。
アベンジャーズ主体のストーリーも久々な気がしますし、クロスオーバー作品好きな方はチェックしてみては!
本作後に読むべき邦訳アメコミ
本作は1冊で完結するので、特にないです。
まとめ:『アベンジャーズ/ファンタスティック・フォー:エンパイヤ』の総評
GOOD
・期待を持たせる導入
・躍動感のあるアート
BAD
・物語の方向性
・雑なラスト
RECOMMEND
・1冊はアメコミを読んでいる人
・クロスオーバーが好きな人
物語の導入がよかっただけに、少々残念な出来に感じてしまいました。
アート面は見応えありです!
他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。
それでは、今回はこのあたりで。
お時間いただき、ありがとうございました!
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