ヴェノムの活躍を上手くまとめた良作
敵の掘り下げは不足
『キング・イン・ブラック』 ©MARVEL ©Shogakukan-Shueisha Productions
こんちは!
サンドです。
今回は、ヴェノムシリーズの完結編でもある『キング・イン・ブラック』のレビュー記事です。
「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」
などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!
僕のプロフィールはこちらの記事で
皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。
なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
収録タイトルやクリエイター
出版社 | 小学館集英社プロダクション |
ライター | ドニー・ケイツ |
アーティスト | ライアン・ステッグマン |
収録タイトル |
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あらすじ
内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。
どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式からの引用なので、結末に関するネタバレはありません。
銀河系を恐怖のどん底に陥れた、奈落の帝王ヌール。
引用元:小プロ作品詳細ページ
奴がついに地球に到達した。
恐るべきシンビオート・ドラゴンの軍勢を指揮下に置くヌールは、アベンジャーズ、X-MEN、ファンタスティック・フォーといった名だたるヒーローたちを次々に苦境に立たせる。
太陽と星々の光が消え、闇に覆われた世界で、人類に残された最後の希望は……ヴェノムことエディ・ブロックだった!!
どんな作品なのか
本作『キング・イン・ブラック』は、リミテッドシリーズ『King In Black』の1~5話をまとめたものです。
『アブソリュート・カーネイジ』の続編となるため、本作から読み始めないようご注意を!
本作のライターであるドニー・ケイツは、2018年から『Venom』Vol.4を担当していて、『King In Black』はこれと並行して展開されました。
ただ、『Venom』Vol.4は1冊も邦訳されていません。
解説書では『アブソリュート・カーネイジ』以降の、『Venom』Vol.4のあらすじが補完されています。
『King In Black』5話の翌月に発売した『Venom』Vol.4の35話で、ドニー・ケイツの『Venom』は完結するので、本作もほぼ完結編にあたります。
解放されてしまったヌールに、ヴェノムとアベンジャーズはどう立ち向かうのか。
『King In Black』#1 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
アーティストは『アブソリュート・カーネイジ』からライアン・ステッグマンが続投。
本作前に読むべき邦訳アメコミ
アブソリュート・カーネイジ
前述の通り、『アブソリュート・カーネイジ』は必読です。
なぜヌールは解放されてしまったのか、エディとディランの関係性とは。
本作に繋がる要素が多く描かれています。
この作品から本作に至るまで、『Venom』Vol.4は10話ほど出版されているので、ストーリーが直接繋がっているわけではないです。
前述の通り、間のストーリーは本作の解説書に記載があります。
この作品の解説書には、『アブソリュート・カーネイジ』までの『Venom』Vol.4のあらすじも詳しく記載されているので、目を通しておくと本作の理解は更に深まります。
けっこう面白かったので、ぜひ読んでみてください!
こちらの記事で詳しい解説や感想を書いています。
その他のドニー・ケイツ作品
本作では『Venom』Vol.4以外にも、ドニー・ケイツが手掛けた作品の要素が散りばめられています。
関連する邦訳本は、『シルバーサーファー:ブラック』と『ドクター・ストレンジ:ゴッド・オブ・マジック』です。
といっても、あくまで一部の要素にすぎないので、必読ではないです。
僕も読めていないですし、邦訳されていない『Venom』Vol.4の方が、よっぽど重要です笑。
作品の評価・感想
面白かった!
敵味方共に、最初から目的が明確でストーリーがわかりやすいです。
キャラクターの登場や行動によって状況が刻一刻と変化し、読んでいて飽きがこないです。
地球規模の危機で、アベンジャーズやX-MENらのクロスオーバーを存分に楽しめます。
それでいて、しっかりヴェノムをたてる構成になっているのがグッド。
本作でポッと出の設定ではなく、過去作の要素をうまく活かしているのも見事です。
気になったのは、ヌールのキャラの薄さですかね。
目的がただ地球を滅亡させるというだけで、「なんのために」、「なぜ」という部分が抜けています。
もうちょっとキャラの深堀をしてほしかった。
もしかしたら、未邦訳の作品で語られていたのかもしれませんが…。
ライアン・ステッグマンのアートは、相変わらず独特ながらも高い画力で描かれています。
迫力ある構図でアクションシーンが映えますね!
表情の描き分けも見事なので、ドラマパートもお手の物です。
『King In Black』#1 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
本作後に読むべき邦訳アメコミ
完結作なので、とくにないです。
まとめ:『キング・イン・ブラック』の総評
GOOD
・過去の設定を活かしたストーリー
・迫力あるアート
BAD
・敵の深堀不足
RECOMMEND
・『アブソリュート・カーネイジ』を読んだ人
未邦訳が多いので解説書に頼るところが大きいですが、なかなか楽しめる1冊です!
他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。
それでは、今回はこのあたりで。
今年もシュミヌマを読んでいただき、ありがとうございました。
良いお年を!(12/31にアップ)
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