焦らしのうまい構成
多様なアートを楽しめる
『X-MEN:ヘルファイア・ガラ』 ©MARVEL ©Shogakukan-Shueisha Productions
こんちは!
サンドです。
今回は、X-MENのイベント『X-MEN:ヘルファイア・ガラ』のレビュー記事です。
「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」
などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!
僕のプロフィールはこちらの記事で
皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。
なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
収録タイトルやクリエイター
出版社 | 小学館集英社プロダクション |
ライター |
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アーティスト |
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収録タイトル |
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あらすじ
内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。
どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式からの引用なので、結末に関するネタバレはありません。
ミュータント史上最大の祭典ヘルファイア・ガラが開催。
引用元:小プロ作品ページ
名だたるヒーロー、各国の有力者たちが招かれ、極上のファッションに身を纏い、重要な取引を行う。
このイベントには二つの重大なサプライズが用意されていた。
一つ目はクラコア最初の新X-MENのお披露目だ。
そして今宵の最後に花火が打ちあがったとき、新たな時代の始まりを告げる二つ目のニュースが発表される。
“歴史に残る瞬間”を私たちは目撃する。
どんな作品なのか
本作『X-MEN:ヘルファイア・ガラ』は、X-MENのイベントであるヘルファイア・ガラをまとめたものです。
『X・オブ・ソーズ』同様、タイトルをまたいでイベントが進行します。
シリーズものなので、本作から読み始めないようご注意を!
前作については後述します。
イベント自体は全12話ですが、今回邦訳されたのは12話のTPBではなく、ダイジェスト版である4話のTPBです。
未邦訳の話は解説書で、各話のあらすじが記載されています。
ヘルファイア・ガラとは、もともとはヘルファイア・クラブが開催していたパーティーで、80年代の作品で既にその概念が登場しています。
本作では、その様子を描いた『Classic X-Men』7話の一部が収録されています。
エマ・フロストが主催する今回のヘルファイア・ガラに、来賓を出迎えるところから物語は始まります。
『Marauders』#21 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
↑フロスト姉さん胸元Xは攻めすぎでは…!
来賓はヒーローや各国の大使、実在の人物と様々で、あの“大物”も参加します笑。
ガラでは、前作『X-MEN Vol.3:弔愛』でサイクロップスが提案していた、新たなX-MENの総選挙の結果が明らかになります。
そして最後の“花火”で更に重大な発表がされます。
『X-Men』Vol.5の21話は、Vol.5の最終話に当たり、様々なアーティストが参加しています。
『X・オブ・ソーズ』のように、各話ごとにライターとアーティストが異なります。
『S.W.O.R.D.』Vol.2の6話は、『アベンジャーズ/ファンタスティック・フォー:エンパイヤ』のアル・ユーイングとヴァレリオ・スキーティのコンビです。
本作前に読むべき邦訳アメコミ
本作を読む前に、前作『X-MEN Vol.3:弔愛』が必読となります。
こちらの作品では、『X-Men』Vol.5の16~20話が収録されています。
21話を担当したジョナサン・ヒックマンのシリーズ最終章に向けて、期待感を高める1冊になっています!
こちらの記事で詳しい解説や感想を書いています。
また、本作に収録されている『Classic X-Men』7話の「古きを捨てて」は、『X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス』に収録してある『X-Men』#96の続編となっています。
本作のために読む必要はないですが、お持ちの方は照らし合わせて読んでみてください。
作品の評価・感想
面白かった!
アメコミながら、敵と戦うシーンがないのがまず新鮮ですね。
それでも要所要所でイベントや注目のシーンがあり、飽きずに最後まで読めます。
ガラでの重大発表は、1話目で発表後の描写がされて3話目でようやくその中身が語られる焦らしっぷりです笑。
先を知りたくて一気に読んでしまいました。
その発表内容も大規模なもので、『インフェルノ』に向けての要素か、その先のX-MENシリーズに向けての要素かはわかりませんが、今後への重大な橋渡しとなっています。
個人的には、ジョナサン・ヒックマンのX-MENが読めればいいので、4話のダイジェスト版の邦訳に不満はないです。
ただ、解説書にはガラの終了後に“衝撃的な事件が発生”するとありますが、その回は収録されずにあらすじでの確認となります。
ここは日本オリジナル編集として収録してほしかったところですね…。
『X-Men』Vol.5の21話では、本編21ページと通常のページ数ながらも、4人のアーティストが約5ページずつで腕を振るっています。
個人的なお気に入りは、『ソー:ゴッデス・オブ・サンダー』や『ウォー・オブ・ザ・レルムス』のラッセル・ドーターマン。
『X-Men』Vol.5 #21 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
ハッキリとした輪郭線で、見やすく丁寧な絵が魅力です。
髪の毛やシワも細かい線で描かれています。
他の3話も異なるアーティストなので、お気に入りのアーティストを見つける楽しみもありますよ!
本作後に読むべき邦訳アメコミ
前述した衝撃的な事件を経て、物語は『X-MEN:ザ・トライアル・オブ・マグニートー』へと続きます。
ミステリー要素も含んだ作品になっています。
こちらの記事で、詳しい解説や感想を書いています。
まとめ:『X-MEN:ヘルファイア・ガラ』の総評
GOOD
・ページが進む構成
・多種多様なアート
BAD
・重要回の未収録
RECOMMEND
・前作を読んだ人
本作で描かれた新たな設定は、今後のX-MENシリーズでどんな役割を果たすのか楽しみですね!
他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。
それでは、今回はこのあたりで。
お時間いただき、ありがとうございました!
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