『インフェルノ』の感想・あらすじ・解説

まとめ
第一部の完結としては良い
未回収要素も目立つ

インフェルノの表紙

『インフェルノ』 ©MARVEL ©Shogakukan-Shueisha Productions

こんちは!
サンドです。

今回は、『ハウス・オブ・X /パワーズ・オブ・X』から続くシリーズの、1つの区切りがつく『インフェルノ』のレビュー記事です。

「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」

などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!

サンド
サンド

僕のプロフィールはこちらの記事

皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。

なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。

収録タイトルやクリエイター

出版社小学館集英社プロダクション
ライタージョナサン・ヒックマン
アーティスト
  • ヴァレリオ・スキーティ
  • ステファノ・カセッリ
  • R.B. シルバ
収録タイトル
  • 『Inferno』Vol.2 #1(2021年11月)
  • 『Inferno』Vol.2 #2(2021年12月)
  • 『Inferno』Vol.2 #3(2022年2月)
  • 『Inferno』Vol.2 #4(2022年3月)

あらすじ

内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。

どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式からの引用なので、結末に関するネタバレはありません。

※本作1話のネタバレがあります

評議会の意に反して、最愛の妻・デスティニーを秘密裏に復活させたミスティーク。
予想外の事態に警戒心をあらわにしたのは、ミュータント滅亡を阻止するべく転生を繰り返してきたモイラ・マクタガートだった。
モイラ、そしてプロフェッサーX、マグニートーはミュータントの未来のために、ミスティークたちを排除しようとするが……。
ミュータント同士の争いがこれまでにないほど激化し、楽園クラコアが地獄の業火に焼かれる!
『ハウス・オブ・X /パワーズ・オブ・X』から続くX-MEN サーガ第一部がついに完結!

引用元:小プロ作品ページ

どんな作品なのか

本作『インフェルノ』は、リミテッドシリーズ『Inferno』Vol.2の1~4話をまとめたものです。

本作のライターであるジョナサン・ヒックマンが手掛けてきたX-MENシリーズの、完結編にあたります。

完結編と言っても第一部の完結なので、ストーリーはまだ続きます笑。
今後の展開については後述します。

この記事から入って来た方は、後述のこちらで本作に至るまでの必読作品をまとめているので、以下は飛ばしちゃいましょう。

『ハウス・オブ・X /パワーズ・オブ・X』以降、オーキスとの戦いがあまり描かれていませんでしたが、そこは本作の主軸の1つです。

物語の開始早々からXフォースのウルヴァリン、ドミノ、キッド・オメガがニムロッドと対峙します。

インフェルノの1話
※画像は原書で、本作は日本語です

『Inferno』Vol.2 #1 ©MARVEL

本作のもう1つの軸は、『X-MEN Vol.1:黎明』から描かれていたミスティークの野望についてです。

これらの物語がどう展開していくのか、ぜひ結末を皆さんの目で見届けてください!

「完結編なのに4話しか収録されていないの!?」
と思った方もいるでしょう。
各話が約40ページとボリューミーなので、ご安心を笑。

余談ですが『Inferno』Vol.2ということは、Vol.1もあるわけです。
『Inferno』Vol.1は2015年の作品で、『シークレット・ウォーズ』のタイインとなっています。

また、1989年にも“Inferno”というイベントがX-MENシリーズをまたいで展開されていました。

ただ、これらは本作とは直結しておらず、邦訳もされていません。

アーティストは、『アベンジャーズ/ファンタスティック・フォー:エンパイヤ』のヴァレリオ・スキーティと、『インビンシブル・アイアンマン:アイアンハート』のステファノ・カセッリ。

『ハウス・オブ・X /パワーズ・オブ・X』からシリーズに参加していたR.B. シルバは、3話のみ参加しています。

本作前に読むべき邦訳アメコミ

本作に至るまでの必読作品は下記になります。

これら全てにジョナサン・ヒックマンが携わっています。
『ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・X』はX-MENの転換点となる作品で、60年の歴史においてもかなりの重要度です。

続きを読むか否かは置いといて、これだけでも読んでほしい!
詳しい解説や感想はこちらの記事で。

これらの作品では、他のアメコミでは得られない読書体験ができますよ。

この他に『X-MEN:ザ・トライアル・オブ・マグニートー』がありますが、この作品は本作と同時期に展開していました。

本作においてこの作品の要素は反映されていなかったので、必読ではないです。
ライターもヒックマンではないですし。

作品の評価・感想

本作の評価・感想

面白かったが、期待しすぎたか…。

「ここまでにたくさん散りばめた要素が、全部交わって壮大なクライマックスを迎えるのか!?」
と勝手にハードルを上げてたのですが、そんなことはなかったです笑。

うまく回収できていない要素がわりとあるので、ネタバレ感想の部分で書きます。
今後のストーリーで回収されるのかもしれないですが、自分の担当期間中に回収してほしかったですね。

逆に、「過去作のあの場面では、実はこうだった」という後出しの事実でストーリーを広げていたのは見事でした。

後半の盛り上がりもよかったですね!
ネタバレなしではこのくらいしかお伝えできないですが、1部の完結としてはしっかりまとまっていました。

1つの作品として見ると十分な面白さですが、集大成と見ると評価が下がってしまいます。

ヴァレリオ・スキーティのアートは、ハッキリとした輪郭線で、線の強弱がついています。
表情の描き分けも相変わらず見事。

ステファノ・カセッリはインビンシブル・アイアンマンの時より画力が上がってる気がします!
顔のシワや陰影などの細かい描き込みで、より立体感のある絵になっています。

インフェルノの3話
※画像は原書で、本作は日本語です

『Inferno』Vol.2 #3 ©MARVEL

ジョナサン・ヒックマンのX-MENシリーズ総括

『ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・X』~本作までの感想を述べます。
ネタバレ全開なので、本作を読み終えてから開くことをお勧めします。

オープニングが一番面白かった笑

『ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・X』では、壮大なスケールでX-MENの世界観を再構築してくれました。

『X-MEN Vol.1:黎明』(以下、黎明)では、新たな要素を散りばめながら、今後のストーリーの期待値を上げていました。

『X・オブ・ソーズ』でクラコアやアポカリプス関連の伏線は回収されましたが、ストーリーが進むに連れて新たな伏線が次々に張られていきます。

「これらの要素は終盤で全部回収されるのか?」
と不安になりながら読み進めていました。

そして不安は的中。
様々な要素を残したまま、本作が終わってしまいました。

具体的にみていきましょう。

うまく本編に絡めていなかった要素が、黎明から登場していたチルドレン・オブ・ヴォールトとホードカルチャー。
加えてブルードの王卵。

ヴォールトの任務は『X-MEN Vol.3:弔愛』で描かれましたが、結局倒すのはアポカリプスらで、あの任務はなんだったのかと。

ホードカルチャーも本作にちょこっと出ましたが、大きな役割は果たさず。
ブルーの命令による攻撃と思われる描写は本作で1コマのみ。

回収されていない伏線は、バルカンを造り変えた存在、シーア帝国の借り。

サイクロップスの弟バルカンは、謎の宇宙人3人組に体を分解されていたが、詳細は語られず。

シーア帝国の女帝ザンドラを助けたことで、ストームに借りができたと言っていました。
唐突にシーアの話を入れていたので、さぞ今後に繋がる要素だろうと思っていましたが…。

最も、ジョナサン・ヒックマンは当初、このX-MENシリーズを3部構成で考えていたようです。

いつの時点で降板が決まっていたのか、続くストーリーはヒックマンのアイデアがベースになっていて、ヒックマンの思い描いたエンディングに向かうのか、上記の要素は今後語られるのか。

我々には知る由もないですが。

それでも、本作で必要最低限の要素をまとめていたのは良かったですね。
プロフェッサーX、マグニートーとニムロッドとの直接対決を描いてくれましたし、モイラとデスティニーの対立も一応の区切りをつけていました。

いや~、ヒックマンに最後まで書いてほしかった!!

本作後に読むべき邦訳アメコミ

先ほども述べましたが、本作はあくまでも第一部の完結編なので、第二部に続くわけです。
アメコミに終わりなんてないのさ笑。

『エックスメン Vol. 1』

本作までは、ジョナサン・ヒックマンが『X-Men』Vol.5を軸にシリーズを統括していました。
今後はジェリー・ダガンが『X-Men』Vol.6を軸に、ヒックマンの跡を継ぎます。

ダガンは『X・オブ・ソーズ』や『X-MEN:ヘルファイア・ガラ』にも参加していたライターです。

そんなダガンの『X-Men』Vol.6の1~6話が収録されているのが『エックスメン Vol. 1』です。

実は『X-Men』Vol.6は『X-MEN:ヘルファイア・ガラ』の直後に始まり、本作と同時期に展開していたので、本作と並行して読んでも問題ないです。

『X・ライブズ・オブ・ウルヴァリン/X・デス・オブ・ウルヴァリン』

本作後という意味では、『X・ライブズ・オブ・ウルヴァリン/X・デス・オブ・ウルヴァリン』が挙げられます。

『X Lives of Wolverine』の1~5話と、『X Deaths of Wolverine』の1~5話の全10話が収録されています。
ライターはベンジャミン・パーシー。

今後のX-MEN

紹介した2冊はまだ未発売(2024年3月時点)なので、詳しいストーリーは不明です。

少し未来の話をすると、このクラコアに関するシリーズは『Fall of the House of X』と『Rise of the Powers of X』を経て、2024年8月の『X-Men』Vol.6の35話で完結します(まだ完結しとらんのかい!! 2024年3月現在)。

ライターは、最後までダガンが携わるようなのでご安心を。
小プロでは、『X-Men』Vol.6の13~18話を収録したTPBまでが、既に邦訳が決まっています(2024年3月現在)。

ここまで出すのであれば、最後まで訳し切ってくれるでしょう!
まだ少し長旅になりそうなので、本作で区切りをつけるというのも、全然アリです。
「最後までついていくぜ!」という方は、道中お気をつけて笑。

僕?
僕は…

どうしよ。
ライターがヒックマンじゃないしなぁ…。

まとめ:『インフェルノ』の総評

GOOD
・第一部をしっかりまとめた
・質の高いアート

BAD
・回収不足の要素

RECOMMEND
・シリーズを追いかけてる人

とにもかくにも、ジョナサン・ヒックマンお疲れさまでした!
今後のX-MENはどうなっていくのやら。

他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。

それでは、今回はこのあたりで。
長文お付き合いいただき、ありがとうございました!

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