スパイディの決意を描いた傑作
たのむから読んでくれ
『アメイジング・スパイダーマン:リベレーションズ&アンティル・スターズ・ターン・コールド』 ©MARVEL ©Hachette Collections Japan
こんちは!
サンドです。
今回は、『アメイジング・スパイダーマン:レベレーションズ&アンティル・スターズ・ターン・コールド』(タイトル長ぇ…)のレビュー記事です。
「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」
などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!
僕のプロフィールはこちらの記事で
皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。
なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
収録タイトルやクリエイター
出版社 | アシェット |
ライター | J・マイケル・ストランジスキー |
アーティスト | ジョン・ロミータ.Jr |
収録タイトル |
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あらすじ
内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。
どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式からの引用なので、結末に関するネタバレはありません。
ピーター・パーカーは長年、スパイダーマンとしての二重生活をメイおばさんに隠してきた。
引用元:本作裏表紙
しかし、その秘密が知られてしまったとき、ピーターはおばが想像をはるかに超える強さをもっていることを知る。
さらに、別居中の妻メリー・ジェーンを取り戻そうとするピーターの努力は宿敵たちの執拗な妨害により、予期せぬ問題にぶつかってしまう。
どんな作品なのか
本作『アメイジング・スパイダーマン:レベレーションズ&アンティル・スターズ・ターン・コールド』は、オンゴーイングシリーズ『The Amazing Spider-Man』Vol.2の37~45話をまとめたものです。
前作『アメイジング・スパイダーマン:カミングホーム』からの続きとなっているので、ご注意を(詳細は後述)。
なっがいタイトルなのは、本作がTPB2冊分だからです。
持つとずっしりしますね。
レベレーションズ編では、前作のラストで起きた出来事を受け、ピーターとメイおばさんがどう向き合うかが描かれます。
前作で教師となったピーターは、ある1人の少女が気がかりなようですが…。
『The Amazing Spider-Man』Vol.2 #37 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
後半のアンティル・スターズ・ターン・コールド編ではドクター・オクトパスが登場。
残念なのは、36話が未収録なこと。
こちらは2001年9月11日にアメリカで起きた、同時多発テロ事件を受けての作品でした。
ヒーローたちも復興に尽力するが、防ぐことができなかったテロ。
本当のヒーローは超能力を持つ者ではなく、あなたたち一人一人だという強いメッセージが込められた、本当に素晴らしい作品です。
元のTPB『The Amazing Spider-Man, Vol. 2: Revelations』には36話が収録されていたのですが、アシェットの『Amazing Spider-Man: Revelations and Until The Stars Turn Cold』(本作の原書)では未収録。
なにしてんねんアシェット。
ライターのJ・マイケル・ストランジスキーと、アーティストのジョン・ロミータ.Jrは前作からの続投です。
また、本作はアシェットの『マーベル グラフィックノベル・コレクション』59号に当たります。
シリーズの詳細はこちらの記事で。
本作前に読むべき邦訳アメコミ
前作『アメイジング・スパイダーマン:カミングホーム』は必読です。
収録話は~35話と中途半端に見えますが、この作品からJ・マイケル・ストランジスキーのシリーズがスタートします。
新章の開幕とも言えるため、初心者の方でも楽しめます!
スパイダーマンの能力を再定義し、かつてないほどの強敵が現れます。
脚本の質が高く、かなりオススメの作品です!
こんなクオリティで定価500円のブッ壊れ作品笑。
読まないという選択肢はないですね。
作品の評価・感想
傑作だわ。
前作では、スパイダーマンのパワーを改めて見つめ直し、新たな意味を持たせていました。
本作ではベンおじさんの事件を振り返り、ピーターがスパイダーマンとしての活動に至った決意を語っています。
ピーターとメイおばさんの対話を通して、新たな事実も明らかになります。
メイおばさんの決意や誓いも自身の口から語られ、芯のある強い女性として描かれていることも印象的でした。
第三者に「彼女は強い女性だ」と言わせるのは簡単ですが、それをちゃんと体現させているのは、質の高い脚本だなと感じます。
38話は会話シーンのみで展開されますが、次の39話はセリフが一切なしという緩急のつけかたにも脱帽です。
ヴィランとの戦いだけでなく、ピーター・パーカーとしての日常生活をしっかり描いているのもグッド。
やはり読者が見たいのは、ヒーロー活動と日常生活での葛藤するピーターの姿ではないでしょうか?
ヒーローが集結する大規模なアクション作品ではないですが、キャラの内面を重要視する方には本当にオススメ!
僕はドンピシャでしたね。
スパイダーマン作品ではお馴染みのジョン・ロミータ.Jrのアートは、やはりクセがあって好き嫌いが分かれるもの。
ただ、キャラの表情の描き分けは見事で、内面を掘り下げる本作の脚本と見事にマッチしています!
力強いアクションシーンも見どころです。
『The Amazing Spider-Man』Vol.2 #40 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
本作後に読むべき邦訳アメコミ
ストランジスキーのスパイダーマンはまだまだ続くのですが、本作の続編は邦訳予定なし。
邦訳されているストランジスキーのシリーズには、2006年の『The Amazing Spider-Man』532話(Vol.1のカウントに戻った)から収録されている『アメイジング・スパイダーマン:シビル・ウォー』があります。
ただ、この作品は『シビル・ウォー』と一緒に読むべき作品で、本作から間が空きすぎているので、続きとして読む必要はないです。
まとめ:『アメイジング・スパイダーマン:リベレーションズ』の総評
GOOD
・キャラの内面を重視した脚本
・表情豊かなアート
BAD
・続きが読めない
RECOMMEND
・前作を読んだ人
・キャラの内面重視の人
「これを読まずしてファンは語れない!」とか安っぽいフレーズがありますが、本作はマジでそれ。
ぜひとも前作と一緒に手に入れて読んでほしいです!!
他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。
それでは、今回はこのあたりで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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