『X-MEN:トワイライト・オブ・ザ・ミュータンツ』の感想・あらすじ・解説

まとめ
革新的なアートを楽しめる
脚本は微妙

トワイライトオブザミュータンツの表紙

『X-MEN:トワイライト・オブ・ザ・ミュータンツ』 ©MARVEL ©Hachette Collections Japan

こんちは!
サンドです。

今回は、その後のX-MEN人気のきっかけともなった『X-MEN:トワイライト・オブ・ザ・ミュータンツ』のレビュー記事です。

「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」

などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!

サンド
サンド

僕のプロフィールはこちらの記事

皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。

なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。

収録タイトルやクリエイター

出版社アシェット
ライター
  • アーノルド・ドレイク
  • ロイ・トーマス
アーティスト
  • ジム・ステランコ
  • ドン・ヘック
  • バリー・スミス
  • ウェルナー・ロス
  • ニール・アダムス
収録タイトル
  • 『X-Men』#50(1968年11月)
  • 『X-Men』#51(1968年12月)
  • 『X-Men』#52(1969年1月)
  • 『X-Men』#53(1969年2月)
  • 『X-Men』#54(1969年3月)
  • 『X-Men』#55(1969年4月)
  • 『X-Men』#56(1969年5月)
  • 『X-Men』#57(1969年6月)
  • 『X-Men』#58(1969年7月)
  • 『X-Men』#59(1969年8月)

あらすじ

内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。

どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式からの引用なので、結末に関するネタバレはありません。

ミュータントたちに黄昏の時期がやってくる今回のクラシックなX-MENのストーリーは、ポラリス(ローナ・デイン)とハボックという新しいミュータントを仲間に加え、新旧のヴィランとの戦いを始める。
きわめて恐ろしいリビング・モノリスやミュータントたちを狙い続けるセンチネルまで、ヒーローたちにかつてないほどの試練が与えられる……。

引用元:本作裏表紙

どんな作品なのか

本作『X-MEN:トワイライト・オブ・ザ・ミュータンツ』はオンゴーイングシリーズ『X-Men』の50~59話をまとめたものです。

60年代はX-MENの売上が低迷していて、打ち切りの危機に瀕していました。
本作のライターであるロイ・トーマスとアーティストのニール・アダムスのシリーズが人気を博し、打ち切りは免れたものの、67話以降の5年間は過去作の再掲となりました。

70年代にライターのクリス・クレアモントがX-MENを大人気シリーズへと押し上げますが、本作はその助走をつけた作品とも言えます。

詳しくは後述しますが、本作だけを読む必要性はあまりないです。

始まりが50話からと中途半端ですが、冒頭にあらすじが1ページあります。
複雑な繋がりはないので、最初の数ページだけあらすじと照らし合わせながら読めば、あとは問題ないかと。

催眠能力を持つメズメロによって、ローナ・デインとアイスマンが連れ去られてしまいます。
一方で、サイクロップスのチームはメズメロの隠れ家へと向かい、この2つの局面から物語が展開していきます。

X-MENの50話
※画像は原書で、本作は日本語です

『X-Men』#50 ©MARVEL

ドラマ『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』にてメインキャラだったローナの能力開花や、『X-MEN ファースト・ジェネレーション』で活躍したハボックの初登場など、重要な回も読めます!

1冊で一貫した物語になっているわけではなく、大きく分けるとメズメロ編、リビング・ファラオ編、センチネル編の3パートで構成されています。

ライターは50~54話までをアーノルド・ドレイク、55話以降をロイ・トーマスが担当。

冒頭の2話のみですが、『ニック・フューリー、エージェント・オブ・シールド』の鬼才ジム・ステランコのアートを楽しめます。
コミックアートの革命家ニール・アダムスは、56話以降を担当します。

なお、ロイ・トーマスとニール・アダムスは後の『アベンジャーズ:クリー・スクラル・ウォー』でもタッグを組みます。

本作前に読むべき邦訳アメコミ

本作より前のX-MENは邦訳されていないので、事前に読む作品はないです。

作品の評価・感想

微妙…。

全体的に脚本のツッコミどころが多いです。

なぜロボットがミュータント能力を使えるのか不明。
サイクロップスの能力を封じるためのヘルメットを、結局能力で破壊されています。

リビング・ファラオは序盤と中盤以降で目的に矛盾が生じています。
ラリー・トラスクはある1コマだけで考えを改めます。

オンゴーイングなので仕方ないですが、終わり方も綺麗ではないです。
物語のテンポはいいんですけどね。

アートに関しては5人のアーティストが参加しているので、様々な絵柄を楽しめます。
特にジム・ステランコとニール・アダムスのアートを1冊で楽しめるのは贅沢!

ジム・ステランコは太目の輪郭線ながらも、強弱がついています。
影のつけかたが細かく丁寧ですね。
遠近を駆使して奥行きのあるアクションシーンも見せてくれます。

ニール・アダムスのアートは、直前の話と画力の差がありすぎて、本当に同じ時代の人間なのかと疑うレベルです笑。

X-MENの56話
※画像は原書で、本作は日本語です

『X-Men』#56 ©MARVEL

構図、立体的な人体の描き方、キャラの表情、コマ割りのセンス、これら全てが異次元です!

本作後に読むべき邦訳アメコミ

本作後の5年の再掲期間を終えてスタートした作品をまとめたのが、『X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス』です。
収録話は『Giant-Size X-Men』の1話と、『X-Men』94~100話です。

チームのメンバーはウルヴァリンやストームらに交代し、新生X-MENの活躍が描かれます。
新章のスタートとなるので、本作よりもX-MENの読み初めに適した作品です。

正直、本作はこの『X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス』の補助教材的な楽しみ方の方がいいと思います。

本作で活躍したハボックやローナも登場し、本作を読んでおくと、この作品をさらに楽しめます。
逆に言うと、この作品を読まないのであれば、本作だけを読む必要性はないかと。

ライターはレン・ウェインや、その後のX-MENを舵取りするクリス・クレアモント。
アーティストはデイブ・コックラムです。

この作品の詳しい解説はこちらの記事で。

まとめ:『X-MEN:トワイライト・オブ・ザ・ミュータンツ』の総評

GOOD
・実力派2人のアートを楽しめる

BAD
・中途半端な始まりと終わり
・ツッコミどころが多い脚本

RECOMMEND
・アートを楽しみたい人
・『X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス』を読む人

個人的に物語は楽しめませんでしたが、アートには満足です!

他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。

それでは、今回はこのあたりで。
ありがとうございました!

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