『X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス』の感想・あらすじ・解説

まとめ
脚本もアートも密度の高いクラシック作品
X-MENシリーズの読み初めに

アンキャニィジェネシスの表紙

『X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス』 ©MARVEL ©FURYU Corporation

こんちは!
サンドです。

今回は、新生X-MENの結成と活躍を描いた『X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス』(=『アンキャニィ・X-MEN:セカンド・ジェネシス』)のレビュー記事です。

「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」

などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!
僕のプロフィールはこちらの記事で。

皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。

なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。

収録タイトルやクリエイター

出版社:ヴィレッジブックス、アシェット
ライター:クリス・クレアモント、レン・ウェイン、ビル・マントロ
アーティスト:デイブ・コックラム
収録タイトル

  • 『Giant-Size X-Men』#1(1975年5月)
  • 『X-Men』#94(1975年8月)
  • 『X-Men』#95(1975年10月)
  • 『X-Men』#96(1975年12月)
  • 『X-Men』#97(1976年2月)
  • 『X-Men』#98(1976年4月)
  • 『X-Men』#99(1976年6月)
  • 『X-Men』#100(1976年8月)
  • 『X-Men』#101(1976年10月)*アシェット版のみ
  • 『X-Men』#102(1976年12月)*アシェット版のみ
  • 『X-Men』#103(1977年2月)*アシェット版のみ

あらすじ

内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。

どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式サイトからの引用なので、結末に関するネタバレはありません。

謎めいた敵による攻撃を受け、サイクロップスを除くX-MENのメンバーが行方不明となった。
そこでプロフェッサーXは世界各国を周り、新たにX-MENとなるべき者達を集める……。

1975年、一度は休刊したX-MENが、国際色豊かな新メンバーを加えて復活。
複雑に絡み合う人間模様と、幾つもの伏線を張り巡らせた大河ドラマは、年長の読者からも高い支持を受けた。この作品をきっかけに新たな読者層を得た事で、アメリカンコミックスはあり方そのものを大きく変えていくこととなる。
ライターは、後にX-MENの顔となるクリス・クレアモントと、アメコミ界のキーマン的存在のレン・ウェイン。アーティストはデイブ・コックラム。
X-MENファンはもちろん、アメコミの源流を知りたいファンも必読の一冊!

引用元:ヴィレッジブックス作品ページ

どんな作品なのか

本作『X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス』は、『Giant-Size X-Men』の1話とオンゴーイングシリーズの『X-Men』の94~100話をまとめたものです。

本作直前の『X-Men』67話~93話は過去の話を再掲載していて、約5年もの間ストーリーの進展がありませんでした。
当時はオンラインで過去作を買えるわけでもないので、こういうリプリント誌にも需要があったようです。

94話からと中途半端に見えますが、新章のスタートとなるので初心者の方でも楽しめますよ!

X-MENのメンバーもサイクロップスを除き、結成時のマーベルガール、アイスマン、ビースト、エンジェルから、ウルヴァリン、サンダーバード、バンシー、コロッサス、ストーム、ナイトクローラーへと変わります。

プロフェッサーXが新たなX-MEN候補を集めて、ある危険な任務へ挑みます。

ライターのクリス・クレアモントは、本作を機に17年にわたってX-MENを書き続けます。

※ヴィレッジブックス版は現在絶版で手に入りにくい状態です。
そもそもオンライン限定販売だったので、部数は少なめだった思います。

ここで、本作を買いそびれた方に朗報です!
アシェットの『マーベル グラフィックノベル・コレクション』34号にて、『アンキャニィ・X-MEN:セカンド・ジェネシス』というタイトルで再邦訳されます。

しかも、アシェット版はヴィレッジブックス版よりも3話追加で収録されています!!
これは既に本作を持っている方にとっても、チェックする価値はありそうですよ…。

x-menの95話
※画像は原書で、本作は日本語です

『X-Men』#95 ©MARVEL

本作前に読むべき邦訳アメコミ

新章の開幕作品なので、特に読んでおくべき作品はないです。

ただ、『マーベル グラフィックノベル・コレクション』44号の『X-MEN:トワイライト・オブ・ザ・ミュータンツ』には、本作以前の『X-Men』50~59話が収録されています。

本作に登場したポラリスやハボック、エリック・ザ・レッドに関する物語なので、読んでおくと本作がより面白く、理解しやすくなります!

必読という程でもないので、余裕があればチェックしてみてください。
詳しい解説や感想はこちらの記事で。

作品の評価・感想

面白かった!

新生X-MENのメンバーは、半数以上が本作初登場でバックグラウンドが描かれるので、ストーリーに入りやすかったです。

テンポも良く、先の読めない展開の連続です。
メインで進んでいるストーリーの水面下で、次の章への伏線も張られていて繋げ方が見事ですね。

メンバー間の対立や、サイクロップスのリーダーとしての葛藤といったドラマ部分もしっかりと描かれています。

デイブ・コックラムのアートは線が力強く、背景やメカの描き込みが丁寧です。
この年代の作品は、コマ割りが細かくて文字も多いので、けっこうお腹いっぱいになります笑。

ストーリーに直接は関係ないキャラクター間のやりとりも、いい味を出しています。
現代のアメコミにはない、独特の空気感がすごく好きです笑。

ヴィレッジブックス版は、ややキリの悪い終わり方ですね…。
せめて101話までは読みたいところでした。

x-menの98話
※画像は原書で、本作は日本語です

『X-MEN』#98 ©MARVEL

本作後に読むべき邦訳アメコミ

本作から少し間が空きますが、『X-MEN』129~137話が収録されている『X-MEN:ダークフェニックス・サーガ』が本作の続編にあたります。

X-MENの傑作とも名高いので、ぜひ読んでいただきたい!
こちらもヴィレッジブックス版とアシェット版があります。

また、『X-MEN:デイズ・オブ・フューチャーパスト』には『X-MEN』138~143話が収録されており、連続したストーリーを楽しむことができます。

まとめ:『X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス』の感想・あらすじ・解説

GOOD
・テンポがよく、繋げ方がうまいストーリー
・力強くも丁寧なアート

BAD
・終わり方がやや中途半端

X-MENシリーズの読み初めにもってこいの作品です!
ぜひ70年代のアメコミも堪能してみてください。

他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。

それでは、今回はこのあたりで。
ありがとうございました!

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