『X-MEN/アベンジャーズ:ハウス・オブ・M』 ©MARVEL ©FURYU Corporation
まとめ
ニューアベンジャーズ期の必読作品
質の高い脚本とアートを楽しめる
こんちは!
サンドです。
今回は、マーベル2大ヒーローチームのクロスオーバー作品『X-MEN/アベンジャーズ:ハウス・オブ・M』のレビュー記事です。
「ここから読んでいいの?」
「オススメのポイントは?」
などの疑問を、邦訳アメコミ150冊を読んだ僕が解決します!
僕のプロフィールはこちらの記事で。
皆さんが購入される際の手助けとなれば幸いです。
ネタバレは一切ないので、ご安心を。
なお、リーフやオンゴーイングなどのアメコミの形式に関する説明は本記事では省いています。
もしわからない単語などがあったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
収録タイトルやクリエイター
出版社:ヴィレッジブックス
ライター:ブライアン・マイケル・ベンディス
アーティスト:オリビア・コワペル
収録タイトル
- 『House of M』#1(2005年8月)
- 『House of M』#2(2005年8月)
- 『House of M』#3(2005年9月)
- 『House of M』#4(2005年9月)
- 『House of M』#5(2005年10月)
- 『House of M』#6(2005年10月)
- 『House of M』#7(2005年11月)
- 『House of M』#8(2005年11月)
あらすじ
内容を全く知らない状態で読みたい方は飛ばしてください。
どんなストーリーなのか少しは確認したい方は、こちらを開いてください。
公式サイトからの引用なので、結末に関するネタバレはありません。
そこは一見、ごく普通に見える世界。
引用元:ヴィレッジブックス作品紹介ページ
だが、通りには人々が飛び交い、様々な肌の色、容姿の人々が行き交う。
そう、ここはミュータントが支配する世界、マグニートーとその子供達“Mの一族”が治める世界なのだ!
この世界は如何にして生まれたのか、そして、この世界を待つ運命とは?
驚愕のパラレルワールドを舞台に、ヒーロー達のありえざる人生が交錯する!
『ニューアベンジャーズ:ブレイクアウト』と『アストニッシングX-MEN:デンジャラス』を結ぶ、ファン必見の一大クロスオーバー!
どんな作品なのか
本作『X-MEN/アベンジャーズ:ハウス・オブ・M』は、『House of M』の1~8話をまとめたものです。
リミテッドシリーズで、本作だけで完結します。
2004年に始まった『Astonishing X-Men』vol.3と、2005年に始まった『New Avengers』とが交わるクロスオーバー作品となっています。
ニューアベンジャーズシリーズを追いかけている人には必読の1冊です!
事前に読むべき作品は後述します。
アベンジャーズとX-MENが合流するストーリーで何も起きないわけはなく、本作はその後のマーベルユニバースに大きな影響を与えます!
スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフは『アベンジャーズ:ディスアセンブルド』にて暴走してしまいました。
その処遇についてヒーローたちが話し合うところからストーリーが展開していきます。
ライターは『ニューアベンジャーズ:ブレイクアウト』からシリーズを引っ張っているブライアン・マイケル・ベンディス。
アーティストは後に『ソー Vol.1 ―帰還―/リボーン』や『シージ』を担当するオリビア・コワペル。
※現在ヴィレッジブックス版は絶版で手に入りにくい状態です。
アシェットの『マーベル グラフィックノベル・コレクション』38号(2023年6月28日発売)にて本作が再邦訳されるので、お見逃しなきよう!
『House of M』#6 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
本作前に読むべき邦訳アメコミ
- 『アストニッシングX-MEN:ギフテッド』(2004年)
- 『アベンジャーズ:ディスアセンブルド』(2004年)
- 『アストニッシングX-MEN:デンジャラス』(2004年)
- 『ニューアベンジャーズ:ブレイクアウト』(2005年)
- 『ニューアベンジャーズ:セントリー』(2005年)
本作の前には、このような作品が展開されていました。
本作の大部分はパラレルワールドが舞台で、これらの作品を読んでいなくても楽しめます。
そこまで直前のストーリーと直結しているわけでもないので、「現在のアベンジャーズとX-MENのメンバーはこうなっているんだな」という認識さえしておけば問題ないです。
ただ、『アベンジャーズ:ディスアセンブルド』は読んでいた方が本作をより楽しむことができます!
スカーレット・ウィッチは本作のキーとなるキャラクターで、 彼女の行動理由が『アベンジャーズ:ディスアセンブルド』 を読むことでより理解しやすくなります。
また、本作の震源地となるジェノーシャですが、ここで何があったのかは『ニューX-MEN:E・イズ・フォー・エクスティンクション』で読むことができます。
詳しい解説や感想はこちらの記事で。
作品の評価・感想
かなり面白かった!
早々にストーリー上の事件が起きて、その後もテンポよく進んでいきます。
これだけの主要キャラが集まるクロスオーバー作品で、ウルヴァリンを主役的な位置に絞ったのもいいですね。
ストーリーがブレずに、最後まで読み進めていけます。
状況を読み込めていないウルヴァリンと読者の視点が一致して、感情移入もしやすいです。
各話のラストで、しっかりクリフハンガーがあるので、どんどん先を読みたくなりますね。
ただのドンパチヒーローものではなく、キャラクターの葛藤や痛みをしっかり描いているのも本作の大きな魅力。
ラストのどんでん返しは必見です!!
ただ、あれだけのことが起きて、X-MENのメンバーに特に影響がないのは都合がよすぎますね…。
オリビア・コワペルのアートは躍動感があり、いい意味でクセもあります。
コミカルな表情の描き分けも見ていて楽しいです。
『House of M』#1 ©MARVEL
※画像は原書で、本作は日本語です
本作後に読むべき邦訳アメコミ
ニューアベンジャーズシリーズ
先ほど、本作前に読む作品に『ニューアベンジャーズ:セントリー』を挙げました。
『ニューアベンジャーズ:セントリー』には『New Avengers』7~13話が、続編の『ニューアベンジャーズ:コレクティブ』には14話~20話が収録されています。
ややこしいのですが、下記の順番で読むことをお勧めします。
『ニューアベンジャーズ:セントリー』の10話まで→本作→『ニューアベンジャーズ:セントリー』の11話以降→『ニューアベンジャーズ:コレクティブ』
なぜこんな複雑なのを、下の図で説明します。
邦訳本に収録されているリーフの発売年月を示したものです。
ニューアベンジャーズ セントリー | ニューアベンジャーズ コレクティブ | ハウス・オブ・M | |
2005/7 | 7 | ||
2005/8 | 8 | 1,2 | |
2005/9 | 9 | 3,4 | |
2005/10 | 10 | 5,6 | |
2005/11 | 11 | 7,8 | |
2005/12 | 12 | ||
2006/1 | 13 | ||
2006/2 | 14 |
『New Avengers』の7~10話がセントリー編で、11~15話がシークレッツ&ライズ編と分かれています。
『ニューアベンジャーズ:セントリー』13話まで読了→本作→『ニューアベンジャーズ:コレクティブ』だと時系列がゴチャゴチャになってしまいます。
なので、先ほど示した順で読むと混乱なくストーリーを読み進めていけます。
『ニューアベンジャーズ:コレクティブ』の16話~20話は、本作の後日譚となるコレクティブ編です。
気になる本作の最終ページから、新たな事件へと発展していきます!
X-MENシリーズ
X-MENの邦訳本は、本作直後に展開された『X-MEN:デッドリー・ジェネシス』があります。
ただ、これは本作後のストーリーというより過去のストーリーがメインなようです。
僕も読んでいないので、詳しくは知りません笑。
それより読むべきは、『X-MEN:メサイア・コンプレックス』(Vol.1と2の2冊)です。
ミュータントたちにとっての希望となる存在を巡るストーリーです。
メサイア3部作の1部目にあたり、後のアベンジャーズvsX-MENへと繋がっていきます。
まとめ:『X-MEN/アベンジャーズ:ハウス・オブ・M』の感想・あらすじ・解説
GOOD
テンポがよく、ブレないストーリー
躍動感のあるアート
BAD
やや都合がいいエンデイング
マーベルユニバースに大きな影響を及ぼす本作のストーリーは、ぜひ皆さんの目で確かめてください!
ニューアベンジャーズ、X-MENともにまだまだ続きますよ~。
他にも邦訳アメコミの感想を書いているので、アメコミカタログなるページも訪れてみてください。
邦訳アメコミの全体感を知りたい方にはこちらの記事もオススメです。
それでは今回はこの辺で。
読んでいただき、ありがとうございました!
コメント